「この時期に釣れる魚、もしかしてお腹に卵が入っている?」
釣りを続けていると、一度はそんな場面に出会います。
産卵期の魚は浅場に集まりやすく、食いも立つことが多いので、釣り人にとってはチャンスにもなりやすい時期です。
一方で、産卵期の魚は次の世代を生み出す最も大切な個体でもあります。
この記事では、釣り人がよく狙う魚の産卵期を海の魚・川や湖の魚に分けて一覧にしました。
あわせて、産卵期の魚を見分けるポイントや、釣り人ができる配慮も紹介します。
この記事でわかること
主要な釣り魚の産卵期(月別一覧)
産卵期と禁漁期間の関係
産卵期の魚が釣れたときの考え方
産卵期を知っておくと釣りが変わる3つの理由
1. 魚が「どこにいるか」が読める
多くの魚は産卵の前後で居場所を大きく変えます。産卵前は浅場や川の上流に集まり、産卵後は体力を回復するために深場へ落ちていく、という動きが一般的です。
産卵期を知ることは、そのまま釣果を上げるための季節の読みにもつながります。
2. 守るべき個体を判断できる
産卵直前の個体を持ち帰ると、その魚が産むはずだった数千〜数十万の卵がまるごと失われます。
もちろん、法律や地域のルールを守っていれば持ち帰り自体は問題ありません。
ただ、「今は産卵期だから、抱卵したメスは逃がしておこう」と判断できるのは、産卵期を知っている釣り人だけです。
3. ルール違反を防げる
渓流魚やアユのように、産卵期にあわせて禁漁期間が決められている魚もいます。
知らずに釣ってしまうと違反になるケースもあるため、産卵期と禁漁期間はセットで覚えておきましょう。
海の魚の産卵期一覧
※産卵期は地域や水温によって1〜2か月ほど前後します。南の地域ほど早く、北の地域ほど遅い傾向があります。目安としてご覧ください。
| 魚種 | 産卵期の目安 | ひとことメモ |
|---|---|---|
| クロダイ(チヌ) | 4月〜6月 | 春の乗っ込みシーズン ※資源状況によりリリースorキャッチ |
| スズキ(シーバス) | 12月〜2月 | 外洋に面した湾口部などで産卵 |
| アイナメ | 10月〜1月 | オスが黄色い婚姻色になり、卵を守る |
| カサゴ | 11月〜4月 | 卵ではなく「仔魚」を産む |
| メバル | 12月〜2月 | カサゴと同じく仔魚を産む胎生魚 |
| メジナ(グレ) | 2月〜6月 | 春の「乗っ込み」で大型が釣れやすい ※資源状況によりリリースorキャッチ |
| マアジ | 2月〜6月 | 地域差が大きい魚 |
| マダイ | 3月〜6月 | 「乗っ込みダイ」として春に浅場へ |
| マゴチ | 5月〜7月 | 夏の浅場で釣れやすい |
| ヒラメ | 2月〜6月 | 南ほど早い傾向 |
| マコガレイ | 12月〜2月 | 投げ釣りの好ターゲット |
| シロギス | 6月〜8月 | 夏の砂浜で大型が寄る |
| アオリイカ | 4月〜7月 | 春に大型の「親イカ」が接岸 ※資源状況によりリリースorキャッチ 特に藻場生成の影響が大きい |
| イシダイ | 5月〜7月 | 磯の王者 |
| アイゴ | 7月〜8月 | 海藻類の食害に関連する地域がある |
| ハタハタ | 11月〜12月 | 冬に沿岸の藻場へ一斉に接岸 |
冬に産卵する根魚は特に配慮を
アイナメ・カサゴ・メバルといった根魚(ロックフィッシュ)は、あまり移動せず、同じ根に住み続けるのが特徴です。
そのため、釣られすぎるとその場所から魚がいなくなりやすい魚でもあります。
とくにアイナメは、オスが卵のそばに残って卵を守るという習性があります。
黄色く色づいたオスを釣り上げてしまうと、残された卵がほかの魚に食べられてしまうこともあるのです。
川・湖の魚の産卵期一覧

| 魚種 | 産卵期の目安 | ひとことメモ |
|---|---|---|
| ワカサギ | 2月〜4月 | 湖に流れ込む川などで産卵 |
| マハゼ | 1月〜4月 | 干潟の泥に巣穴を掘って産卵 |
| ウグイ | 4月〜6月 | 婚姻色の赤いラインが目立つ |
| ヘラブナ・コイ | 4月〜6月 | 雨後に浅場の水草で産卵 |
| ブラックバス | 4月〜6月 | オスが巣を守る(外来魚) |
| ヤマメ・アマゴ | 9月〜11月 | 多くの地域で秋から禁漁 |
| イワナ | 10月〜11月 | 上流の砂利底に産卵床をつくる |
| アユ | 9月〜11月 | 産卵のため川を下る「落ちアユ」 |
| サケ | 9月〜1月 | 川での採捕は原則禁止 |
渓流魚は「秋の禁漁」とセットで覚える
ヤマメ・アマゴ・イワナといった渓流魚は、秋に産卵します。
多くの地域では、この産卵期にあわせて秋から翌年の春先までが禁漁期間になっています。
禁漁の時期は都道府県や漁協によって異なるので、釣行前に必ず確認しましょう。
サケは川で釣ってはいけない
意外と知られていないのが、川をさかのぼるサケは原則として釣ってはいけないという点です。
水産資源保護法などにより、内水面(川や湖)でのサケの採捕は禁止されています。
一部の河川では「有効利用調査」として特別に釣りが認められていますが、事前の申請や受付が必要です。
外来種であるブラックバスを減らすなら4月〜6月
ブラックバスの産卵期は春先から梅雨にかけての時期となります。
大きい個体から先に産卵する習性があるため、3月後半に大きいサイズのバスが卵を守っている様子が見られルことがあります。
いわゆる「見えバスは釣れない」状態となります。
外来魚が繁殖してしまっている釣り場には外来魚回収BOXが設置されている場合があります。
特定外来種はリリース禁止ですので、キャッチしてBOXに入れてください。
残酷な感じがしますが、回収された魚体は埋めたり発酵させてぼかし肥料として利用され、野菜や農作物として命をつなぐ役割をしています。
産卵期の魚の見分け方
釣れた魚が産卵期かどうかは、次のようなポイントで判断できます。
- お腹がふくらんでいる:卵を持ったメスは腹部が大きく張っている
- 婚姻色が出ている:アイナメのオスの黄色、ウグイの赤いラインなど、普段とは違う体色になる
- 肛門付近が赤く突き出している:産卵が近い個体によく見られる
- 体の傷やヒレの擦れ:産卵床を掘ったあとの渓流魚などに見られる

【内部リンク:釣れた魚が抱卵していたら?婚姻色と抱卵個体の見分け方】
産卵期の釣りで釣り人ができる配慮
「産卵期は釣りをしてはいけない」というわけではありません。
ルールを守ったうえで、次のような配慮を取り入れてみてください。
抱卵個体や大型のメスは逃がす
大きなメスほど、たくさんの、しかも質の良い卵を産むことがわかっています。
たくさん釣れた日こそ、大型のメスはリリースする選択肢を持っておきましょう。
持ち帰る数を決めておく
産卵期は魚が集まって数釣りができることも多い時期です。
「今日は家族で食べる分の5匹まで」など、釣りに行く前に持ち帰る数を決めておくと、釣りすぎを防げます。
魚を弱らせないリリースを心がける
逃がすと決めたら、なるべく水から出さず、素早く針を外して返してあげましょう。
フィッシュグリップやラバーネットがあると、魚へのダメージを大きく減らせます。
産卵場所に立ち入らない
渓流の砂利底や、浅場の藻場は産卵場所になっていることがあります。
ウェーディングをするときは、産卵床を踏まないように意識しましょう。
釣果と産卵期を記録しておこう
産卵期は地域や年によってずれます。いちばん確かなのは、自分の釣り場で、いつ、どんな状態の魚が釣れたかを記録しておくことです。
釣り手帳やアプリに「お腹がふくらんでいた」「婚姻色が出ていた」とメモしておくと、翌年以降の釣りの計画にも、資源への配慮にも役立ちます。
まとめ|産卵期を知ることは、釣りを長く楽しむための第一歩
- 魚の産卵期は魚種ごとに異なり、地域や水温で1〜2か月前後する
- 冬は根魚、春は海の大型魚、秋は渓流魚とアユが産卵期のピーク
- 渓流魚やサケなど、産卵期にあわせてルールが決められている魚もある
- 抱卵個体や大型のメスは逃がす、持ち帰る数を決めるなどの配慮が資源を守る
産卵期を知ることは、魚を守ることにも、釣果を伸ばすことにもつながります。
このカレンダーを、次の釣行計画にぜひ役立ててください。

