「子どものころは、もっと魚が釣れたのに」
ベテランの釣り人から、そんな言葉を聞くことがあります。
海や川の環境の変化、魚の減少——釣りを楽しむ私たちにとって、これは決して他人事ではありません。
最近よく耳にするSDGs(持続可能な開発目標)は、釣りとも深く関わっています。
そして、釣り人だからこそできることがたくさんあります。
この記事では、釣りとSDGsの関係と、魚を減らさず釣りを続けるために釣り人ができる10の行動を紹介します。

この記事でわかること
- SDGsと釣りの関係
- 「サステナブル・フィッシング」の考え方
- 釣り人が今日からできる10の行動
SDGsとは?釣りとどう関係するの?
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、2015年に国連で採択された、2030年までに達成をめざす17の国際目標です。
その中には、釣りと直接関わる目標がいくつもあります。

サステナブル・フィッシングという考え方
「サステナブル(sustainable)」とは、「持続可能な」という意味です。
サステナブル・フィッシングとは、魚や自然環境を減らさずに、未来まで釣りを楽しみ続けられるようにする考え方のことです。
釣りは、自然から「いただく」レジャーです。だからこそ、いただく量と、守る行動のバランスが大切なのです。
釣り人ができる10の行動
行動1:釣り場のルールを確認する
まず基本となるのが、禁漁期間・禁漁区・体長制限などのルールを守ることです。
ルールは都道府県や漁協ごとに異なり、改正されることもあるので、釣行前に必ず確認しましょう。
禁漁区や保護区は、そこで増えた魚がまわりの釣り場にあふれ出していく「しみ出し効果」で、釣り場全体を豊かにしてくれます。
行動2:遊漁券を購入する
川や湖で釣りをするときは、遊漁券(釣り券)が必要な場所がほとんどです。
遊漁券の売り上げは、稚魚の放流や、川の環境整備などに使われています。
遊漁券を買うことは、釣り場を守るための投資なのです。
行動3:持ち帰る数とサイズを決めておく
釣りに行く前に、「今日は◯匹まで」「このサイズの魚だけ」と決めておきましょう。
小さい魚と大きい魚の両方を逃がす「スロットリミット」の考え方も参考になります。
【内部リンク:スロットリミットとは?小さい魚も大きい魚も逃がす体長制限の考え方】
行動4:大型のメスは逃がす
大きなメスほど、体の大きさ以上にたくさんの卵を産むことがわかっています。
大物が釣れたら、写真と記録を残して逃がしてあげましょう。
行動5:産卵期の魚に配慮する
産卵期の魚は、次の世代を生み出す大切な存在です。
抱卵したメスや、卵を守るオスが釣れたら逃がしてあげましょう。
たとえばアイナメは、産卵期になるとオスが黄色く色づき、卵がふ化するまで守り続けます。
行動6:魚を弱らせないリリースを心がける
逃がすと決めた魚は、生きて帰ってもらうことがゴールです。
バーブレスフックを使う、空気に出す時間を短くする、ラバーネットを使うなど、ちょっとした工夫で生存率は大きく上がります。
バーブレスフックを見る行動7:持ち帰った魚はおいしく食べきる
持ち帰ると決めた魚は、正しく締めて、血を抜いて、しっかり冷やし、最後までおいしく食べきりましょう。
「せっかく釣れた魚を持ち帰って見てみたら傷んでいて食べられなかった」ということが無いようにしましょう。
現地で魚を活かしておく手段やクーラーボックスの準備が必要です。
活かし水くみを見る行動8:「外道」も捨てずに食べる
狙っていない魚が釣れても、その場に捨てるのはやめましょう。
未利用魚の中には、下処理しだいでおいしく食べられる魚がたくさんいます。
人間が魚種を選り好みしてリリースをするとその場の魚種に偏りが出る場合があります。
特に、海藻を食べるアイゴなどは、食べることが海の森を守ることにもつながります。
行動9:ゴミと釣り糸を必ず持ち帰る
釣り場に残された釣り糸や針、仕掛けのパッケージは、鳥や海の生き物に絡まったり、飲みこまれたりする原因になります。
また、釣り人のゴミ問題は、釣り禁止の場所が増える大きな原因にもなっています。
- 自分のゴミは必ず持ち帰る
- 切れた釣り糸は、ライン回収用のケースに入れて持ち帰る
- できれば、ほかの人が捨てたゴミもひとつ拾って帰る
「ボウズの時は釣り場のゴミを30L袋の分だけ拾って帰る」といったマイルールを設けると次回は大漁かもしれません。
海ゴミリサイクルケースを見る行動10:自然の変化に気づき、伝える
「いつもの磯の海藻が減った」「川の水がにごっている」——いつも自然の中にいる釣り人だからこそ、気づける変化があります。
- 釣果や釣り場の様子を記録する
- 川の水生生物を調べて水質をチェックする
- 地域の清掃活動や藻場再生活動に参加する
- 気づいたことをSNSやブログで発信する
10の行動チェックリスト
次の釣行の前に、チェックしてみましょう。

まとめ|釣りを未来に残すのは、釣り人自身
- SDGsの「海の豊かさを守ろう」など、釣りと関わる目標はたくさんある
- サステナブル・フィッシングは、魚と自然を減らさずに釣りを続ける考え方
- ルールを守る、持ち帰る量を決める、正しくリリースする、食べきる、ゴミを持ち帰る——ひとつひとつは小さな行動
- 小さな行動の積み重ねが、未来の釣り場を守る
10の行動をすべて完璧にこなす必要はありません。まずはひとつ、次の釣行から始めてみてください。
その一歩が、10年後も、20年後も、子どもたちと一緒に釣りを楽しめる海や川につながっていきます。




